女は女である

雑記帳

生理は悪いものでもない

生理ほど嫌いなものはないが、生理がなければどうなってしまうのだろうと思うこともある。

生理が毎月近づくにつれて、肌は荒れはじめ、体を重く感じるようになり、気分もむやみに淀みがちになる。じぶんの体が少しずつうまくうごかなくなると、そろそろやってくるな、と嫌な予感がする。やがて下腹部の、奥のほうがじんじんと痛み出し、そこに一か月で溜まったぬるりと血のかたまりが、ぽたり、ぽたり、と膣から漏れ出し、生理がはじまる。

ひとによって生理痛の深刻さはちがうというけれど、わたしはどうやら生理痛によって苦しまねばならぬからだに生まれたらしい。赤ん坊用のおむつとなんらかわらぬ、というよりもむしろ老人用のおむつに似ているとさえいれるような不格好なナプキンを下着に着け、なにがおきているのかことばにできぬような鋭い痛さに不格好に身をよじり、なんでもしますからこの痛さをどうにかしてください、といつもは祈らぬ神に情けなく懇願し、湯たんぽやかいろで必死に局部をあたためている、この不格好な自分のすがたを笑ってしまいたくさえなる。生理ほど不格好でみじめなものはない。

生理がおわると、からだがじぶんのものとは思えぬくらい好調になる。肌はつるりとするし、からだはなんでもできそうな気がしてしまうくらい軽く感じる。生理がおわるたび、あたらしい自分に生まれ変わったような心持になる。

生理はだいきらいだけど、わたしの生活のリズムを整え、ひと月ごとに生まれ変わったようにリフレッシュさせてくれるものでもあるのことは否定できないので、いやだいやだと悪態はつくけれどもやはりこれなしにはいきてゆけないなあと毎月思うのであった。