女は女である

雑記帳

パリでのひと夏

パリで、べつべつの国からやってきた学生たちと、ひと夏を過ごす、という、まるで数年前みた「スパニッシュアパートメント」のような生活をしている。f:id:lavieenrose000:20150720054913j:plain

平日は9時から16時くらいまでパリ政治学院で授業をうけ、その後は美術館によったり、パン屋やマルシェで買い物をしてキッチンでフランス料理をつくってみたり、ルームメイトたちとお酒を飲みに出て、そしてフランス語の復習をする。

フランスという国は思い描いていたそのままにうつくしい。中学校の頃に傾倒したフランス文学や傾倒したフランス映画の、あらゆるシーンをフラッシュバックさせながら、パリの街を歩くと、なんともまあ現実感を抱くことができないものだ。大学の近くにはサルトルボーヴォワールが語り合ったカフェだったり、彼らが仲良く一緒に眠る墓地があったりするのだもの。ボリスヴィアンがトランペットを演奏していたバーや、デュラスの住んでいたアパート、ヘミングウェイ夫妻が滞在していたホテル、オスカーワイルドがなくなったホテルがあるのだもの。

ルーブル美術館や、オルセー美術館、うつくしいセーヌ川沿いの街並みをあるくとき、フランスの哲学者や文学者たちの作品をよみとくとき、西洋文化のゆたかさ、歴史、そしてなによりその美しさに圧倒されてしまう。

私はフランス趣味の母のもと、教会で育ったということもあって、西洋文化に身を浸して育ってきた。でも、こうやってあこがれた西洋の文化に身を置いてみると、自分がやはり異質な、東洋からやってきた存在だということを認識させられる。

でも、もっとこのうつくしい国にちかづきたい、そういう気持ちでいっぱいで、フランス語が思うようにつかうことができないのが、自分がどうもがいてもこの国に属していないという事実が、とてももどかしい。

 

それにしても、

 

いろんな国を移動して、いろんな国からやってきた人と話す、こんな生活がつづけられればいいのになあ。

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